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Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」(第138回)
スペースXが直接スマホと通信できる衛星の打ち上げに成功。今後の展開は?
スペースXが直接スマホと通信できる衛星の打ち上げに成功。今後の展開は? | Biz Clip(ビズクリップ)-読む・知る・活かす (ntt-west.co.jp)
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ここでは概要と裏話を。
スターリンクについて、前に同連載に「NTTドコモ、年内に「Starlink Business」提供。今後を占う」という記事を書いている。これによれば、そもそも、スターリンクとは…
スターリンクは、高度500~2000km程度の低い高度を回る衛星を使って通信網を構築した衛星通信サービス。この種の衛星通信サービスは一般的な静止軌道衛星に比べ、低い軌道(地球低軌道、Low Earth Orbit、LEO)を回るため「低軌道衛星通信」と呼ばれる。
「低軌道衛星」とはいえ、雲がおよそ5000~13000m、一般的なジャンボジェットなどの航空機の飛行が10000m(10km)、国際宇宙ステーション(ISS)が400kmの高さにあるため、「低軌道」といえども最大2000km、実際には地上からかなり離れた高い距離ではある。ちなみに、一般的な衛星(「ひまわり」などの静止軌道衛星)は、赤道上空約36000km以上とはるかに遠くなる。低軌道と静止軌道の間を回る中軌道衛星もある。
低軌道衛星は、地球の自転と同じ周期で公転している静止軌道衛星と違い、地上から見ると動いているように見える。1つの低軌道衛星では利用エリアを通り過ぎてしまうと利用不可能になるため、多数の低軌道衛星を連携し、通り過ぎたら切り替えることで通信を途切れさせない工夫をしている。このように複数の衛星を連携・協調させることを「衛星コンステレーション」(「コンステレーション」は「星座」という意味)と呼ぶ。なお、衛星移動通信については、総務省の「小型衛星から構成される衛星コンステレーションによる衛星通信システムの技術的条件」が詳しい。
スターリンクでは、現時点で地球低軌道に3000機を超える衛星が存在する。スターリンクはワシントン州レドモンドにあるスペースXの衛星開発施設で研究、開発、製造、軌道制御を行っているが、スペースXでの最初のスターリンク衛星打ち上げは2018年2月、最新の打ち上げは2023年11月22日(執筆現在)だ。筆者も何度かスペースXの打ち上げのライブ中継を見たことがあるが、スターリンク衛星を何十機も積んでいた。このごろ見上げる夜空には、時たま何十機もの衛星が連なって動いているのが見えるが、それがスターリンク衛星だという。
NTTドコモ、年内に「Starlink Business」提供。今後を占う | Biz Clip(ビズクリップ)-読む・知る・活かす (ntt-west.co.jp)
夜空を見上げると、連なっているスターリンク衛星が見えることがある。ウェザーニュースライブの星空中継で見れたりも、する。
今回の記事では、スターリンクとスマホの直接通信について書いている。従来スターリンクでは専用装置が必要で、スマホなどとの直接通信ができないのが残念といわれてきた。ところが、今回、スマホとの直接通信に向けた衛星を打ち上げたほか、auが年内にサービスを立ち上げるという。
KDDIとスペースXは、スターリンクとau通信網の活用により、スマートフォンが衛星と直接つながり、空が見えればどこでも通信ができるサービスを2024年内に提供開始予定と2023年8月30日に発表している。先述のLTE通信搭載のスターリンク衛星を使い、5Gや4G LTEで提供が困難だった山間部や島しょ部を含む日本全土に通信エリアを拡張する。
サービスのページには「『エリアカバーの新次元』へ」というタイトルで、「空が見えれば、海でもいつものスマホで家族や友人へ連絡ができます」「空が見えれば、緊急時でもいつものスマホで情報を得ることができます」などのキャッチコピーが書かれている。この「空が見えれば、どこでもつながる」の実現は、前述のごとく2024年内に提供予定だが、まずはSMSなどのメッセージの送受信から、そして音声・データ通信と、順次対応する。
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まずはショートメッセージから、というが、これが実現すれば、かなりの窮地が救えるかもしれない。筆者の「オープンカーでの遭難」経験からもひも解いている。興味があれば、一読するといいかも。
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