記事書きました! 知っ得!生成AIの意外な業務活用(第2回)「自治体における生成AI導入・活用状況は?」

青木恵美のお仕事 .執筆記事

知っ得!生成AIの意外な業務活用(第2回)「自治体における生成AI導入・活用状況は?」

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※とりあえずな「ぶっちゃけ解説」「ぶっちゃけ裏話」でございます。ご笑覧くださいませ。
※引用は記事からのものになりますが、一部なので、1回は本記事を通して読むことをお勧めします。よろしくです。

 連載の第1回「生成AIの“現在地”とその活用事例」では、国内企業での生成AIの活用事例を紹介した。日本企業での生成AIの導入状況は、IPA「DX動向 2024」によれば全体で19.2%、試験運用を含めれば約4割弱という。今回は自治体での利用に焦点を当ててみる、というわけ。

生成AIを導入済みの自治体は、総務省「自治体における生成AI導入状況」によると、都道府県51.1%、指定都市(政令で指定する人口50万以上の市)40.0%。その他の市区町村で9.4%となった。実証実験中も含めれば、都道府県95.8%、指定都市90%、その他市区町村25.1%と、都道府県と指定都市が9割以上という大きな数字となっている。ただし、その他市区町村では前述の国内企業よりも低く、ムラの大きい状況だ。

 自治体が導入している(実証実験も含む)生成AIの具体例としては、多い順から、「あいさつ文の作成」「議事録の要約」「企画書案の作成」「ローコード(マクロ、VBA等)の作成」「メール文案の作成」「翻訳」といった順だ。「あいさつ文の作成」では年間1500時間の削減、「議事録の要約」では半日程度かかっていたものが30分~1時間程度に短縮。そして、ポスター・チラシの画像作成では年間160時間の削減になるなど、一定の効果があがっているものの、導入して間もないため効果を検証できていない自治体もあるという

自治体の仕事こそ、生成AIで効率化するのがよさそう。だが、生成AIにはさまざまな問題がつきまとう。そのあたりをどう解決していくのか、みたいな話。

具体的な事例を紹介

具体的な事例で、自治体での生成AI導入の状況を示してる。

  • 広報紙作成のサービスデザイン検討に活用、さらなる業務への汎用をめざす(神戸市)
  • 生成AIとRPAを組み合わせた業務効率化の追求(別府市)
  • 小規模自治体における緩やかな生成AI活用促進(岡山県西粟倉村)

神戸市

2023年4月から職員を限定して試行利用を実施。2024年2月から「Microsoft Copilot」の全庁利用を開始した。市長から指示があったため導入検討を進めたという。生成AI活用にあたって、安全性のリスクや市民の不安を考慮、早期に条例改正や利用ガイドラインの策定を行っている。主に広報紙の作成で、生成AIによるペルソナ(広報紙を読む人物像)設定やカスタマージャーニーマップ(ユーザーが商品・サービスとの関わりの中でたどる一連のプロセスを視覚化したもの)を出力し、ユーザー目線の企画立案を実現している

別府市

令和5年4月頃から職員有志でChatGPTの勉強会を開催するなど活用に向けた機運が高まり、他自治体でも生成AI活用の取り組みが進んでいたため、別府市から事業者へ打診し実証を開始。令和5年8月から実証運用、11月から本格運用を開始した。入力した情報が生成AIの学習データとならない形態で「自治体AI zevo」を利用している。

岡山県西粟倉村

 2023年よりGPT-4相当の生成AIを無料で利用できるサービスを選んで、日常業務を中心に全庁で利用している。職員の業務内容の特徴をつかんだ上で、業務の効率化が無理なく実現するよう、生成AIで解決したい課題を決め、繁忙期を避けて勉強会を開催するなど緩やかに利用を促進している。有料サービスはできる限り利用しない一方で、職員の基礎的なリテラシーの向上に継続的に取り組んでいる。利用方法や成果物の評価など、実情に合った独自のガイドラインを作成している。

どの自治体も試行錯誤していて、なかなか好感がもてる。中でも興味深かったのは、岡山県西粟倉村。こうした小さな自治体が、皆で取り入れ、マイペースで勉強していこう、という姿勢はいいかも。

自治体こそ生成AIを導入して効率化すべき?!

今回は、自治体の活用事例を見てきたが、人手が足りない中でも、住民への安定したサービスを提供しなくてはならない、という自治体における実情がある。さらには総務省「自治体戦略2040構想研究会」の「自治体戦略2040構想研究会 第一次・第二次報告の概要」によれば、「労働力の絶対量が不足する2040年」に備え、「従来の半分の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要」とし、「すべての自治体で、AI・ロボティクスが処理できる事務処理はすべて自動処理するスマート自治体へ転換する必要」がある、と書かれている。

ああ、自治体てのも大変なんだな、と思う。そういえば従兄とか自治体勤めの人がまわりにいるけれど、部署によって忙しさにムラがあり、とにかく大変なところは「帰れない」ほどだという。というわけで、自治体こそ生成AIで効率化、はすごくいい、と思う。

だけど生成AIは、ご存じのとおり、抱える問題点も多く、導入は慎重に行う必要がある、というわけ。不祥事やトラブルばかりでは、信用ガタ落ちになっちゃうもんね。とりあえず「誰一人取り残さない」デジタル化、コツコツ頑張って欲しい。

 ここまでの事例で見てきたように、生成AIの利活用で効率化できる業務の範囲は広い。ただし導入と同時に、生成AIが抱える回答に間違った情報が含まれている可能性や、セキュリティ面などでのリスク、職員のITリテラシーなどの問題も解決していかなくてはならない点に気を付ける必要がある

今回も、そんな感じで。また、ぼちぼち書きます。

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知っ得!生成AIの意外な業務活用

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