記事書きました! Biz Clip IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第150回) 「レジのない店舗はもうすぐ?ウォークスルー型スマートストアの実証実験中!」

青木恵美のお仕事 .執筆記事

記事書きました! Biz Clip IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第150回)「レジのない店舗はもうすぐ?ウォークスルー型スマートストアの実証実験中!」

レジのない店舗はもうすぐ?「ウォークスルー型スマートストア」の実証実験中! | Biz Clip(ビズクリップ)-読む・知る・活かす
↑本記事はこれです。

ここでは概要と裏話を。

 買い物でムダ、イライラする、と思うのが、レジ待ちの時間とレジ処理の時間だろう。混んでいるスーパーなどの買い物は、レジ周辺だけで数十分近くかかることもあり、「この時間がなかったら」といつも思う。自分で買い物かごの商品のバーコードを読み込む「セルフレジ」なども普及し、便利になってきた。店舗貸し出し用スマホやアプリを入れた自身のスマホを使い、買い物しながら商品のコードをスキャンして専用レジで支払いを行うイオンのスマートストアシステム(例「どこでもレジ レジゴー」)も全国的に使えるようになってきた。

レジ待ち時間はもったいない。とはいえ、セルフレジは混んでるうえ、みんなけっこう時間かかってるし。とはいえ自分もいざセルフレジやってみると、いろいろうまくいかずに時間がかかっちゃう。。。

レジゴーもやってみたい、とは思うけど、どうなんかな。慣れるまでは大変だよね。

そんなこんなを考えると、商品を持って出るだけで買い物が全部すんじゃう「ウォークスルー型スマートストア」いいかもねって。ただし、カゴに入れたすべての商品をどうやって正確に感知するんだって話になるわな、当然。

ウォークスルー型は、設備にコストがかかるのがデメリット

ただし、ウォークスルー型店舗は、顧客が買ったものを自動判別するためのAIやカメラシステム、専用のスマホアプリ、認証機能付きゲートシステムなど、最新のテクノロジーと設備にコストがかかるのがデメリットとされてきた。顧客にとってかなりありがたい一方、店側は(コスト問題などで)実現や維持が難しいとされる。そんな折、「ウォークスルー型」店舗の実証実験が行われているというニュースが話題を集めた。プレスリリースには「手に取った商品をそのまま持ち帰ることのできる」とある。これが実現すれば、かなり助かりそうだ。

そのあたり、店も顧客も有利なら、いいよねってところで。そんなこと、可能なの?って思う。

 入店したら、顧客が店内を歩き回って買う商品を選び、そのまま退出ゲートなどから退出する。それが「ウォークスルー(歩いて通り抜ける)」という意味にもつながる。その際、「どんなユーザー」が「何を買うか」をカメラや電子タグ、重量センサーなどが自動で認識・把握する必要がある。このため、セルフレジ型でのスマホでバーコードスキャンやセルフレジでのスキャン部分を自動で賄うシステムが必要だ。買う商品を認識したら、次は決済だ。こちらは、顧客がゲートから退出したときや退出時のQRコード読み込みなどのタイミングで決済されるものが多いとされる。これら一連の流れを自動処理することの大変さは、誰しも想像がつくだろう。どんなテクノロジーを利用して、どんな機器を組み合わせ、どんなシステムを作り、どう確実に動かすか、間違いやトラブル、犯罪への対処は、など想像に余りある。

テクノロジーにはワクワクするけど、どうなんよ、的な。

重量センサーが不要なウォークスルー型は画期的?!

今までのウォークスルー型は、重量センサー付きの商品棚を用いるのが一般的だったが、今回の実証実験はカメラでの映像のみで判別するらしい。ならば導入は具体的、に近づくかも。

そしてこのシステムの特徴は、一般的なウォークスルー型店舗で使われる重量センサーを使用せず、カメラによる映像取得のみで購買の検知を行うため、既存の棚などの設備をそのまま転用できる。これは大きなメリットだ。

今後いろいろ、工夫していく必要がある。カメラシステムはさまざまな方面に活用可能。今後も発展していくであろう

ウォークスルー型は必ずしも成功していない。客も「さっさと選んで会計を済ませ、ほかに行きたい」と思う場合に有効、など、シンプルな買物向き? キオスクとか、イベントのショップとか。ゆえに、時と場合を限る、ジャンルを絞るなどで工夫していく必要がある。

 諸外国のウォークスルー型を中心とする無人店舗は、必ずしも成功していない。先ほども触れた「Amazon Go」は、「レジに並ばずレジ会計のない新種のストアです。商品を手に取り、出ていくだけ!」という画期的な店舗形態で話題となったが、その後、戦略転換によって一部店舗の閉鎖を進めたことでも話題を呼んだ。今ではジャンルや場所、顧客層を絞るなどで、戦略的な運営を行っている。同じ頃に話題を集めた中国の「無人コンビニ」をはじめとする多くの無人店舗も、一時は拡大したものの、閉鎖や戦略替えを余儀なくされているという。

 こうしたウォークスルー型などで無人・省人化をめざす店舗形態は、セルフレジや入店・退店ゲートなどの設備をはじめ、自動識別のための設備やAI、ビッグデータを使うシステムなど、高額な初期投資と基礎知識が必要なうえ、知識のあるスタッフの採用、間違い・トラブル対応要員の常備、機器やソフトのアップデートなど、開業後の維持コストも大きい。やはり「Amazon Go」同様、ジャンルや顧客層、場所や期間を絞るなどで、利益を上げ維持していく知恵や戦略も必要だろう。

実現はなかなか難しそうだが、電車の時間が迫るときにちょっとした買い物をするときなど、買う側にとっては、超便利な場合もある。ゆえに、うまく工夫して実現すれば、大きな利益を生める可能性もある。実証実験を含め、今後に期待しよう。

 ほしい商品を選んで通るだけで買い物ができる「ウォークスルー店舗」。利用した人は口々に「新しい体験」と言う。こうした未来を描いた映画のような買い物形態は、急ぐとき、そして時間がないときなどにもかなりありがたい。こうした便利さもIT技術の発展で得られるもの。自社の業務にもIT技術をうまく取り入れて、明るい未来を作っていこう。

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